にこです。
先取特権を語呂合わせ&解説で
覚えてしまいましょう。
先取特権とは?
先取特権 とは、同一の債務者に対して複数の債権者がいる場合、
他の債権者よりも優先して債務者から先取りできる権利です。
先取特権には、3つの種類があります。
1.一般の先取特権
2.動産に関する特別の先取特権
3.不動産に関する特別の先取特権
それぞれについて解説していきます。
一般の先取特権
一般の先取特権には、以下4種類あります。
この4種類の原因によって生じた債権を持っている場合、
債務者の総財産について先取特権を有する、
「債務者の全ての財産から、優先的に回収を受ける」ことになります。
1.共益の費用
2.雇用関係
3.葬式の費用
4.日用品の供給
一般先取特権の優先順位は、1~4の順番となります。
知っている方も多い有名な語呂ですね!
動産に関する特別の先取特権
動産に関する特別の先取特権は、
特定の動産のみが先取特権の対象となります。
動産に関する特別の先取特権においては、以下が対象となります。
1.不動産の賃貸借
2.旅館の宿泊
3.旅客又は荷物の運輸
4.動産の保存
5.動産の売買
6.種苗又は肥料の供給
7.農業の労務
8.工業の労務
動産に関する特別の先取特権の優先順位は、
第1順位 不動産の賃貸、旅館の宿泊及び運輸の先取特権
第2順位 動産の保存の先取特権
第3順位 動産の売買、種苗又は肥料の供給、農業の労務及び工業の労務の先取特権
となります。
6,7,8がわかりづらいですね
6の「種苗または肥料の供給」は
種やら肥料やらを
農業従事者に納入して代金をまだ貰っていない。
そうしたら、その土地から収穫物が取れて売れました。
そこから種や肥料の代金を返せ、と言えます。
7の「農業の労務」では、
その農業の仕事によって得られた農作物などだけが、
先取特権の対象の財産となります。
8の「工業の労務」では、
その工業の業務によって作られた制作物などだけが、
先取特権の対象の財産となります。
『ちんぱくうんぽ!』『バイバイ火の粉』
って意味不明だけど、
記憶に残れば使ってね!
・・・では、動産の先取特権の中で重要な条文を見ていきましょう。
333条(先取特権と第三取得者)
先取特権は、債務者がその目的である動産をその第三取得者に引き渡した後は、その動産について行使することができない。
333条は、動産取引の安全を図ることが趣旨になっているので、
不動産先取特権には適用されません。
不動産先取特権の場合には、登記をすることができます。
つまり、登記をすることによって公示されているわけですから、
取引の安全を害することがないので、第三者を保護する必要がないからです。
不動産に関する特別の先取特権
不動産に関する特別の先取特権は、特定の不動産から
先取りできる、という権利です。
不動産先取特権については「登記」が必要です
1.不動産の保存
2.不動産の工事
3.不動産の売買
不動産に関する特別の先取特権の優先順位は、
1~3の順番となります。
※不動産の先取特権と登記
不動産先取特権については「登記」が必要です。
以下は不動産の先取特権の登記をしなければいけない時期です。
これらの時期に登記をしなければ、
効力が生じないことになるのでとっても大事です。
不動産保存→保存行為後直ちに
不動産工事→工事を始める前に
不動産売買→売買契約と同時に
このうち「保存」と「工事」については、
それより前に抵当権が登記されていても、
抵当権より優先して回収することができます。
最後に、一般の先取特権と特別の先取特権とが競合する場合には
共益の費用>(動産・不動産)特別の先取特権>一般の先取特権
(雇用・葬式・日用品)
の順番になります。
この内容を踏まえて、このサイトの先取特権のクイズをやると
面白いほど解けます。
少しでも先取特権を楽しく勉強できればうれしいです。
一緒にがんばりましょう。
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