思い出の一問

中の人たちのつぶやき

one
one

oneです。
受験生の皆さんにとって
パンチキ(一般知識)が気になる時期になってきましたね。



忘れもしない、2020年11月8日の試験。
私は解答用紙の裏面にある「背信的悪意者」の文字に驚きを感じながら、
試験開始の合図で、一番うしろのページをめくった。

私は基本的に、最初に文章読解を解き、次に一般知識を解いてから記述を軽く見るようにしていた。
文章読解を何とかクリアして、一般知識の一問め。
これができる問題かそうでないかで大きく分かれる。
2019年はここが日中戦争期の激ムズ日本史問題だった。


47 次のうち、各国の選挙制度について、正しいものを選べ。

③ 日本では、第一次世界大戦後に男子普通選挙となったが、男女普通選挙の実現は第二次世界大戦後である。


令和2年度 行政書士試験問題(-無断転載を禁じます-)

よかった。これは間違いなくわかる問題だった。
日本の男子普通選挙は1927年から、女子は1946年からだ。
他は全く知らないが、これだけは確信を持って選ぶことができた。

私には思い出の一問、というものがある。

ご存知の方もいるかもしれないが、私はクイズが大好きである。
「FNS1億2千万人のクイズ王決定戦(フジ)」や、
西村顕治さんと水津康夫さんの激闘も名高い「ギミア・ぶれいく 史上最強のクイズ王決定戦」(TBS)、「アメリカ横断ウルトラクイズ」(日テレ)など、かじりついて見たものだ。
Twitterでウルトラ第13回準優勝の永田喜彰さんや第16回準優勝の大西肇さんから「いいね」をもらえたときなどは、狂喜した。

私は小学校5年の夏休みに鹿児島の親戚の家に行ったことがある。
ちょっと一週間ばかり預けられた感じだ。
その途中、某超難関私立男子中学校の文化祭に行く機会があった。
祖父は私をここに入れたかったようだ。

あまり確かな記憶ではないが…文化祭の学校内の一室で、なぜか「クイズ研究会」という組織があり、中高生が司会をやっていた。
ちょっとしたミニ大会のようなものだ。

小学生五人がボタンの前に立ち、先輩が問題を出し、
5問中一番多く正解した子にその中学校のグッズがもらえるというもの、だったように記憶している。たくさんの小学生がおり、並んでいる。
祖父に少し時間をもらい、私も嬉々としてそこに並んだ。

みんな賢そうだ。
そりゃあそうだろう。なんたって九州で一、二を争う進学校だ。

そして自分の番が来た。4番のところに立ったのは覚えている。
目の前には、テレビで見たことのあるボタン(いわゆる「早稲田式」といわれるもの。当時中高生でこれがある学校は非常に珍しかった)。
最初にボタンが動くかのチェックをしたときにも感動したが、それもつかの間。
お兄さんが出した問題は、ほとんど覚えていない。
(夏目漱石と、ゴッホかマネか、絵画関係の問題があったような気がする)
気持ちははやるものの、私の指は凍ったように動かず、
他の賢そうな(実際頭がいいのだろう)子がどんどん正解していくことだけはよくわかった。

「残り1問!」のコールで我に返った。
せめて押したい。ランプをつけて答えてみたい。
あわよくば「正解!」のコールを聞きたい。

「問題。もともとはクリケットの用語である、サッカーでいっs」

ついた。ランプがついた。
間違いなく「一試合」って言ったよな???

「4番どうぞ!」という前に叫ぶように答えていた。

「ハットトリック!」この正解の音を、お兄さんの「正解!」の声を、私は一生忘れないだろう。
たった一問の正解が、私の人生を変えたといってもいいかもしれない。

できればもう一回、ボタンの前につきたい。


※問題の全文 
もともとはクリケットの用語である、サッカーで一試合に一人の選手が3点以上得点をあげることを特に何というでしょう?

1 ハットトリック 2 グランドスラム 3 ターキー


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