合格体験記(おいでやすさん)



■モチベーションを高める

私の周りは司法試験・国家一種など高難度試験受験組で行政書士試験は合格当前、むしろ点を競い合うという圧のかかる雰囲気です。
しかし自分の学生時代と違って民法は改正され、行政法も新たに制定。
えっ、今は禁治産者・瑕疵担保責任って言わないの?レベルのいわば初学者な私。

しかも、職場の後輩が行政書士試験受けると言い出し、当然おいでやすさんは資格持ちですねと言われて絶対に落ちるわけにいかなくなりました。後輩より高い点数で合格しなければなりません。これはヤバイ。甘く見てた。

■学習スケジュール

情報を収集すると学習時間の目安は700時間~1,000時間とのこと。
勉強癖の抜けた私はリハビリを兼ねて1,000時間を残り日数で割って一日当たりの勉強時間を出しノルマとしました。

4月 多少時間を無駄にして試行錯誤の後、自分に合ったインプット法を見つけて基本学習と一問一答。

5月 インプットの効果が出始め、肢別過去問集を開始。ただし勘で正解する状態です。

6月 肢別過去問集をひたすら周回。難問はたいてい佐藤先生の動画に解説がありました。

7月 公開模試を受験するも、試験慣れしていないため時間が足りず惨敗。    肢別過去問集周回だけでは勝てないと解り、本格的に「試験対策」開始。    主な対策は「自作まとめ」いわゆる「素材」作りです。

8月 民法強化のため、夏休みを含めて一か月間スーパー過去問集をやりこみ。    択一の効率アップ(全部問題読まない等)のためウォーク問も実施。

9月 毎週試験時間に合わせて公開模試と自宅模試で試験慣れ。民法強化の成果が出て点が安定し始める。
   成美堂の過去問集で5年分の問題を分析し肢別を記述に置き換えて解く練習を開始。

   会社法の頻出分野を集中学習。

10月 追い込み時期に焦らないよう以前から考えていたメニューを淡々とこなす。    肢別2周、間違えた問題の復習、条文素読や判例の言い回し暗記、判例読み込み。

■勉強のコツ

【行政法】条文
 行政法は流れをつかんだ後、条文を逐条理解して最終的には暗記しました。似たような手続きがあって混乱してくるので(混乱期)、自作の表を作って対比させながら覚えました。
 今年の行政法の記述は条文を覚えていれば満点取れました。

【民法】頻出条文+判例
 全分野の概念を理解した後は、過去問で問われた条文をマーキングし「原則(条件+効果)」「例外(条件+効果)」を意識して覚えました。「原則」はほぼ出ないので「例外」中心ですね。例外の例外(錯誤や無権代理や委任の解除)なども「君は条文の構造を理解してるかな?」と問われる箇所かと思います。
 今年の民法の記述は条文を覚えていれば満点取れる問題でした。

 国家賠償法(これも実は民法)関連、抵当権、法定地上権や譲渡担保など条文でなく判例知識が問われる分野がありますので、ここは判例を覚えます。同時に判例の独特な言い回しを覚えます。

 後半は記述対策や総合理解度の確認のため、事例問題を解きます。数学で公式を覚えた後基本問題・応用問題を解くアレです。誰かの困りごとを解決してあげるということですね。土地が占拠された、モノを返してくれない、傷がついてた、壊れた、燃えた、殴られた、そういうやつです。この設問はどの条文知識を問うているのか、原則に当たるか例外に当たるのかなど頭の体操を繰り返します。
 単純知識を複雑な事例問題にして聞いてくるだけなので会場で焦らないことです。

【憲法】判例
 人権は昭和女子大とか司法書士会とか結論だけでもある程度は行けますが、最近の憲法は結論が合っていてもそこに至る理由付けを変えてくるので判例を読んで裁判官の心を真に理解することが大事だと思います。裁判官は何を守ろうとしていたのか、ですね。統治は、司法権の限界などの判例知識が問われる司法以外はルールを覚えるだけなので特にコツはありません。内閣と内閣総理大臣、議院と国会の権限の入れ替え等の引っ掛けを想定しながらしっかり暗記しました。

【一般知識】人による
 冒頭申し上げたように、私は最終的に点数勝負をしなければならなかったので、伸びしろと言えば一般知識しかなく捨てられませんでした。雲をつかむような広範な範囲ですが「戦後政治経済」「世界の政治体制」「選挙制度」「時事問題」的を絞りネットに落ちている動画で学習しました。雑学としても役立つので楽しんで覚えられましたね。

■メンタル
 直前期には頭がおかしくなったり眠れなかったりしますので、解決策を考えておくと良いかと思います。ちなみに私は直前期でも酒を飲んでいましたし眠れないときは素直に医者に行きました(笑)。オンライン自習室で弱音を吐いたこともあります。
 どれだけ勉強しても自信は持てないものですが、そういう時は「自信の根拠」を持つといいかと思います。佐藤先生におけるところの「使い込まれたケータイ六法」です。

 私の場合は曖昧な点を放置しなかった学習姿勢と結果的に1,000時間を超えた勉強時間でした。それが試験当日「周りを見下す」メンタルを維持する源になったと思っています。

■最後に
 結果は258点で合格でした。
 長々と書いた割には参考にならないかもしれません。
 また、あくまでも「試験対策」であって法律学習の基本姿勢ではないので適当に読み流していただければと思います。
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