免許証があぶない すすむ厳罰化
運転免許の減免
私が受けている仕事のなかで、交通違反で運転免許の取消処分を受けた方からの相談というのがあります。毎週2-3件相談の電話が来る感じです。
それだけ運転免許の取消処分になる人がいるということ。
福岡県の場合をとると、毎週木曜日に公安委員会に呼び出されるのが取消対象、火曜日だと免停対象ということになっています。
停止又は取消 とありますが、
つまり呼び出し日が 木曜だったら
おめえは 取消だよ っという意味です。
免許取消になる人は悪人なのか?
「運転免許取消なんて普通の人ならないっしょ」
「そんな事する奴は救いようのないアホっしょ?」 とか言う人がいますが本当にそうでしょうか?
私の印象からすると、一部それは救えないなという人はいても、殆どがちょっとした気のゆるみからなってしまった人です。
確かに交通違反はいけません 免許証というのは許可ですから
行政書士受験生は、行政法で学ぶとこです。
許可とは
法令による特定の行為の一般的禁止(不作為義務)を特定の場合に解除し、適法にこれをすることができるようにする行政行為をいう
許可は「運転させてやるぜ!」と権利を与えているのではなく、「するな!」いう不作為義務を、公安委員会に 「運転技術もあるし、交通ルールを順守するから解除してください。」と申請して公安委員会が「しゃーねえな!」と許可をもらった状態です。
約束をして免許をもらったのに、公道に出たら 「これくらいいいじゃん!」 と皆がやりだしたら、「そりゃおめえ約束違うっしょ」となります。
なので、交通ルールは守らなければならないです。
しかし、実際路上を運転すると、実態として、殆どのドライバーが法令を守って走行していると言えるものではありません。
実態とあわない速度規制が引かれている道路もたくあんあります。
高速道路で50キロ規制がでていても実態は100キロで流れていますから・・・
逆に50キロで走ると危ないです。
都市高速道路とかでは60キロ規制ですが誰もその速度では走っておらず、実態として70-80キロ程度が安全な流れのような気もします。
なので、人と同じような運転をしていたとしても、運次第で違反が積み重なって免許が取消になることも十分あり得ます。また、ちょっとした不注意による事故、または防ぎようのない事故に巻き込まれた場合でも過失がたとえ低かったとしても人身事故となれば点数が杓子定規に付けられてしまうので、取消処分になる方全員が特に悪質なドライバーだということはないと思います。
よくある取消処分事例
・酒気帯び運転
・速度超過50K
・新免許制度の準中免許 知らずに準中型車を運転して無免許運転
・運転免許更新を忘れ期限切れ その際運転んしてうっかり無免許運転
・小さな違反の累積(前歴から免停地獄)
まあこの辺が多いです。そして これって救いようねえよなあってのもあります。
しかし、酒気帯びだったとしても、下の事例はどうでしょうか?
1)翌朝、お酒が抜けたと思って走行していたら、一時停止で止められ、そこで酒気帯びをとられた。運転手取消処分、その助手席に乗っていた人も取消処分となった。
道路交通法65条4項 運転手が酒気帯び状態と知りながら、運転手に運転することを要求又は依頼して、同乗することを禁止しています。
この場合の運転免許証に対する行政処分は運転者と同じ取消・欠格期間2年です。
この時、事情聴取で運転者が酒気を帯びていることを知っていたとする、調書が誘導によりとられてしまった場合、行政処分を逃れることはできません。 また運転することを要求、または依頼に関しても、知識がない同乗者が自分に都合の悪い解釈で認めてしまっている可能性もあります。
飲酒、酒気帯びは許される違反ではありませんが、これって通常の酒気帯び運転とくらべて処分が重すぎませんか?
2)酒気帯び運転であったが、私有地の敷地内で車両を移動させた際に他の車両に当てて物損
その際酒気帯びで免許取消・欠格期間2年
運転手は酒気を帯びてはいましたが、運転するつもりはなく、私有地敷地内でちょっと邪魔になった車両を動かした。
私有地は道路ではないので、道路交通法で処罰されないのでは?とも思えますが、判例では私有地であれ他の車両が自由に出入りできる場所は公道とみなされた判例があります。 なので、これも運転免許取消・欠格期間2年となります。
確かにお酒はいってたらやるべきではないですけど、少し処分重くないですか?
他にも事例はいろいろあります。
・代行を頼んでいたが、駐車場が奥まった場所で、代行業者が発見できなかったので、駐車場から路上に車両を出してしまい、その際に検挙され免許取消
・酒気を帯びていたので、自宅まで奥さんに運転してもらい、自宅前の細い路地で車庫入れするために酒気を帯びているご主人に運転を変わった際に警察に検挙され免許取消
・渋滞の停車中にクリープ減少で軽く前方の車両に当てた? 当たったと思わなかったのでそのままその日は家に帰ったが、後日警察がやってきて当て逃げと人身扱いで違反点数がついた。
目視できる当てた傷は確認できなかったのにこれが原因で取消処分
これはほんの一例で、ちょっとしたきっかけで、想像以上の思い処分を食らうことがあるんです。
いやー ほんと怖いです パターンは無限大
交通違反の取締、処分が重すぎる
近年、交通違反に対する処分の厳罰化はどんどん進んでいます。
あと、路上にパトカーが無茶苦茶増えた
街中あちこちで、検挙された車両を毎日のように見かけます。
いったい何がおこったのか? 交番には人がいないのに、交通違反のパトカーは大量発生
確かに、交通事故により命を落としてしまう人がいる事を考えると、交通ルールは厳守する必要があります。
しかし、今の日本社会で運転できないと、仕事、子育て、介護など生活ができなくなる人も多いです。あまりに厳しい厳罰化で、運転免許を取りあげてしまうことが本当に日本の為になるのか?
働く気がある人を廃人にしてしまう可能性もあります。
そうやって人を追い込むと、逆に社会で生活が営めなくなり、犯罪しなければ生きていけなくなったりする可能性すらあります。
これって、良いことではないと思います。
また、現在の警察の取り締まり目的にも問題があります。
どうしても国家予算を集めなければいけない性質上、交通違反の取り締まりで反則金を集めるという交通安全よりも、反則金優先の取り締まりが行われ、それにより、運転免許の点数が必要以上に膨れ上がっていくドライバーもいます。
悪質取締り事例
・一時停止線が交差点よりずいぶん手前に引かれているところで、待ち伏せて完全停止してないことを指摘
・信号のない横断歩道で待ち伏せ
・安全に流れている都市高速で、速度超過の背後にはいり追尾もろくにせず検挙
・道路の構造上、ドライバーが違反してしまいがちな箇所で張り込み
他にもたくさんあると思います。
最近特にあぶない信号のない横断歩道取締り
信号機のない横断歩道 もし歩行者がいれば停止して先に渡らせる必要があります。
この歩行者を渡させる行為、一見安全にみえて、渡っているところを反対車線に跳ねられる事故も多発してしまいます。 停止車両のせいで死角があって、歩行者も慌てて渡ろうとするので・・
また、歩行者のほうも車両が違反を取られることを知らず、クイックな方向転換や渡る気もないのにふらふらして急ブレーキを踏ませ追突事故を誘発したりします。
ちょっとイジワル 警察官による取締りパターン
・歩行者、車両の込み合う商業施設のある路上にある信号機のない横断歩道で、死角がでやすく歩行者を見落としやすい場所であることを知りながら待ち伏せて検挙
・パトカーの存在をわざとにドライバーに見せることにより、注意がそれたところに横断歩道があり、そこにたまたま歩行者がいたら検挙
法令を犯したといえば、そうかもしれませんが、自ら注意を横断歩道からそらさせ、それを検挙するお前らはいったい・・・・
法令違反はやめよう
結局、警察がイジワルな取締りをするとはいえ、法令を違反しなければ検挙されることはない。
速度超過に関しても15KMを超えてからは検挙に動く確率があがるので、速度計から流れに合わせたといえども自己防衛できる範囲内で(メーター誤差)抑える
一時停止、赤信号に変わるタイミング、その他もろもろ 気をつけよう
私も、大型2種免許、大型自動二輪、大型特殊といろいろ免許あるので、取消処分をうけたら一発で全消えで洒落になりません。日本の免許取得にかかる費用は詐欺師もびっくり世界でもナンバー2の超高額設定です。(1位は貧差でスイスらしい)
なので常に法令違反にならないよう自己防衛運転を心がけております。
それでも、捕まるときは捕まりますがね 一方通行がわからなかったとか・・
免許の取消処分の減免
万一 運転免許の取消処分をうけたら
行政手続法第13条により、免許の取消処分のような不利益処分をするときは、意見陳述のための手続きを取らなければならないと定めています。
運転免許の取消処分の場合、この意見陳述の機会が最後のチャンスとなります。
他にも、不服審査とか、行政事件訴訟ができるとありますが、実際には機能していません。
不服審査は同じ公安委員会が審査して覆る可能性は0%
行政事件訴訟をしたとしても、結果がでるまでの時間と弁護士費用、現実的に無理です。
なので、この意見の聴取が最後のチャンスとなります。
減免が認められる可能性は低いですが、上記に記載したように処分が重すぎるのではないかという場合は、せっかく法律で定められている機会なので利用したほうがいい。
公安委員会も処分の減免をする場合に、当日なんの準備もせずに口答で理由を述べるだけでは認めるのはムリです。しっかり書面で陳述書、嘆願書、意見書、証拠書類を提出して準備すれば軽減の確率は上がるし、逆にやらなければ軽減はないと思います。
ということで、交通ルールは守る
また、警察のイジワル取締りにも耐えうる しっかり抗弁できるような運転を心がける
これですね 私もこの仕事をしだして、行政コワイ~
運転気を付けようと 改めて思いました。
これちょろっと飲んだだけで、すぐ0.5出ますから こわっつ
まとめ
運転免許の制度を厳しくし、講習、取締り反則金で税金を集め、さらにちょっとしたことで免許が取り消されてしまう。若者が簡単に小型トラックを運転できないようにし、老人は講習漬けにして免許を取り上げる。こうやって運転することすら今までよりは難しくなる社会になるのかなあって思っています。 管理社会に対処するために自己防衛できる運転を心がける必要があるなあと思いました。
また、知識と交渉術はもとても大切です。
深視力検査が苦手で大型免許を返納した方が、普通車の免許で1.5トン車を運転して、まさか無免許運転になるとは知らずに、取消処分になった方がいました。
1.5トン車が準中型車になるかは積載量をみただけでは判別できず車検証の車両総重量も確認する必要があります。 そんな複雑な免許制度にした国に問題があると思いますが、これで無免許運転一発免許取消が多発しております。
この方は、何も準備せずに聴聞に参加し口頭で意見を述べてそのまま取消処分になりました。
その方の場合、書類と証拠書類等をしっかり提出すれば、ほぼ確実に減免されるパターンであったと思います。
知識がなく書面で提出しない場合、まったく違う結果になってしまう恐ろしさを感じました。
この方、免許をなくしてしまい、生活保護も視野にいれておりましたが、肉体労働で体にムチうって頑張っておられます。 こんな運転マナー、違反歴もない頑張る国民から免許を杓子定規に取り上げる公安委員会って なんなんでしょうかね?
知識ないと ほんと危ないっす この国
運転免許取消処分に関する意見の聴取に関する質問は当事務所にお問合せください。
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